映画「アフター・ヤン」
自分の柔らかい気持ちにピタっとハマる好きな作品、心まるごと持ってかれた✧
音楽と映像とストーリーが静かに絡み合って、「美しい」っていう表現が似合う。
AIロボットの日々の記憶が軸となって進むお話で、時代は近未来なんだけど、
なんか懐かしいというか、全体の雰囲気がレトロなの。風景がほっとするんだ。
「記憶」って他の誰も見ることができないし、確かめようもないもの。
もし、この作品のAIのメモリーのように、人の記憶のかけらが見られたらどんなだろう。好きな人や大事な人が残した日常の記憶。それが、あったかくて優しい風景だといい。自分の笑ってる顔やなんでもない和やかな暮らしの場面が、そこここに散りばめられてたら、一緒に生きた時間ごと愛おしく、心の底から救われるなぁ。
猫もそうだな、一緒に暮らしている猫が見てきた風景。そのなかに自分や家族の笑顔、優しさや穏やかさが映っていたら、よかったなって思える。
やっぱり、日常は宝もの。するすると流れてゆく時間のなかに、大切なひとときがたくさん存在しているんだよね。
あとこの作品が自分の感性に合っているのは、たぶん「家族」の描き方が(わたしにとってはとても)自然だから。
いわゆる日本社会が認める、求める「家族」じゃないから。
もう一回観たいな。AIヤンの言ったセリフ、ふんわりわかっているつもりだけど、ちゃんと消化してみたい。
切なさと美しさが胸にぐっとくる坂本龍一さんのピアノ音楽も、また映像ごとスクリーンで味わいたい✧